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完璧な赤―「欲望の色」をめぐる帝国と密偵と大航海の物語
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 70101 位
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たかが染料、だがその歴史的意義に眼からウロコ
古来、赤色原料として使われたコチニールというメキシコ原産のカイガラムシを巡るヨーロッパ植民地競争の盛衰が前半。後半は天然染料に代わる化学染料の開発競争に各国が凌ぎを削り化学兵器の開発まで進んだ時代を描写。僧侶・貴族階級に寵愛された「赤」がフランス革命時代には逼塞し、また低廉な化学染料が生まれると「赤」を渇望していた労働者階級の需要が増大する一方で、有産階級は「赤」から離れていくという色の嗜好の変遷まで見せてくれる。コチニールの謎に始まり、植民地大国スペインの凋落、ドイツの化学産業勃興等、題材の料理の仕方でこんなに奥深い記述が可能になることを教えてくれる。前半はやや冗長だが、後半パーキンの出現辺りからテンポが軽快となり、一気に読める。
赤で斬る
「コチニール」という真紅を生み出す染料で、ヨーロッパと中南米を貫いています。赤色と影響を与え合った政治、経済、科学、流行色などの歴史が国境やジャンルを問わず描かれています。
スペイン人が中南米に進出し、現地で使われていたコチニールをヨーロッパに持ち込み初めたのが4世紀以上前。スペイン、イギリス、フランス、他ヨーロッパ諸国、メキシコをはじめとする中南米の人々が、様々な立場で赤色と関わっていたという、長い長い道のりが現在まで続いていています。
読んでいて面白かったのは、ユニークな科学者や植物学者達が活躍する中盤、「コチニールは植物か?虫か?」の顕微鏡開発合戦や、コチニール奪取の苦難苦闘のあたり。また後半、遂にコチニールがスペイン領以外に持ち出されてからの生産競争、合成染料開発による大打撃もスリリングでした(逆に言うと、前半のヨーロッパ政治史や染料の歴史は、ちょっとつらかった)。
翻訳書とは思えないほど、読みやすかったです。ただ、もっと写真や地図、年表があると良かったですね。今まで、大西洋が左右に割れている地図ばかり見てきたけれど、今回しみじみと地図帳でヨーロッパとアメリカの位置関係を確認しました。訳者あとがきに著者のHPが紹介されていて、最初に教えて欲しかった。英語ですが、コチニールの赤色が写真で見られます。
作者は、修士論文のために、チョコレートのヨーロッパ伝来について調査していた時、積み荷の記録に必ず「グラナ(コチニールのこと)」という言葉があるのに気付いたそうです。後にこの本を書いたわけですが、作者の曾祖父、祖父が染色職人だったこと、家族の協力を得てこの本を書いたことを思うと、なかなか運命的な血の通った物語だと思います。
「赤」ってすごい色だ…!
「赤」っていう色について、どんな印象がありますか?
血の色、口紅、ほてった頬? コカ・コーラ、キットカットの箱、それとも映画祭のレッド・カーペット?
そんな「赤」が歴史を動かしていたなんて知ったら、少し興味が湧きませんか?
この本は、完璧な「赤」を求めた歴史を描いた作品。
もうね、読んでいるうちに、「赤」をめぐる冒険にどんどん引き込まれること請け合いですよ! 少しでも興味を持ったなら、ぜひ読むことをお勧めします。
歴史で読むロマン
歴史こぼれ話をはさみつつ、赤色が実は歴史を動かしていた!
という驚きの事実をアステカ帝国の時代にまで遡り検証していく。
なぜ、「赤」が歴史のキーワードになるのか?
冒険、喜劇、陰謀など歴史の魅力が凝縮した作品。おもしろい。
ただしちょっと高いので、星4つで。
早川書房
鏡の歴史 青の歴史 デカルトの暗号手稿 青の美術史 (平凡社ライブラリー) 消えたカラヴァッジョ
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